[問題三] (便宜上横書きにします)
国語の公立入試問題では、小説つまり物語り文と評論文が出題されます。今回は評論文の攻略法を考えます。 中学校の学校で学ぶのは、「説明文」と呼ばれる文章です。では、「説明文」と「評論」とは中学まではほとんど同じです。教科書では「説明文」として習います。違いは「評論」では事実の説明だけでなく、意見が述べられたものをいう点です。普通は、「説明」と「意見」が絡み合っていて複雑で、読み取りが難しいために、入試に向いているのです。評論は中学校ではあまり学ばないのに入試に出るのは、たぶん高校国語への準備という意味があるからでしょう。
今回は平成28年度岐阜県公立入試問題の国語から、「評論」の[問題三]を解いてみましょう。この評論では、「理解できた」と、「わかった!」という感覚とは本質的に違うところがある。という文章から始まっています。 このような論法を「二項対立」とか「二元論」と呼んでいます。評論では、「二項対立」とか「二元論」と呼ばれる論法は、よく利用されます。単純だからです。二項対立の代表例を上げてみましょう。 <精神と肉体>、<善と悪>、<現実と夢>、<民主主義と独裁主義>また<人間的と非人間的>などです。二つに割りきって考える考え方が二項対立すなわち二元論なのですが、理解できたでしょうか。現実は必ずしも二つにきれいに分けられるわけではありませんから、ちょっと乱暴な思考法ということができます。しかし、考え方が単純なので、しばしばこの二元論が用いられるのです。入試問題にはこの論法の評論が高校入試だけでなく、中学入試や大学入試の国語でも頻出します。 読み取るときは、A=「理解できた」とB=「わかった!」とはっきり対比して考えていくことが大切です。 表にしてみましょう
A=「理解できた」
説明を受けて論理的にわかること 自分の知識と整合的である 明確にイメージできるとはいえない
B=「わかった!」
ミッシング・リンクが連結される 知識を得るのではなく、状況が解釈できる 対象を再構成して自分流に説明できる
課題文で、幾何学の定理の証明の道すじを発見した場合は「わかった!」ということになるといっていますが、これは、説明を聞いて「理解でき」ても自分で問題を解こうというと解けないことがあるのは、数学では問題練習の重要性つまり必要性をいっています。先生の説明を聞いて「理解できた」という状況から、「自分で説明できる、つまり証明が書ける」ようにならないと数学で点が取れないのです。要するに、数学の勉強では問題練習が欠かせない理由を説明しているのです。
問一 これまで知らなかった知識が、論理的に自分の持っている知識と整合的である
問二 関連=二つの漢字「関」と「連」の関係に注意。似た意味の漢字が連結されている ア「売買」=売りと買いで反対の意味 イ「地震」地が震えるで主従の関係 ウ「俊足」=俊(す)ぐれた足で修飾語と被修飾語 エ「規則」=「規」も「則」も決まりという意味で似た漢字の連結 答えは「エ」
問三 自分の頭のなかで説明の道筋が明確に浮かび上がっている
問四 ウ
問五 自分の頭の中で再構築して、自分流に外に出して説明する
問六 イ
[問題六] (便宜上横書きにします)
□私は、校内の施設や教室の用途表示として候補Aが良いと思う。
□校内の施設や教室は、その使用目的は明確に表示されるべきである。候補Aは、いわゆるト音記号であり、極めて単純明確である。そのため、離れた場所からでも見やすい上どの国においてもこの記号は使用されていて、誤解を生じない。これに対して、候補Bは多数の生徒が描かれていて親しみやすいが、掲示物としては複雑すぎる。