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教育格差の拡大への抵抗

教育格差の拡大への抵抗

私たちが運営している「通学型」の通信制高校において、高校3年間に生徒の「学力差」はどんどん拡大してしまう傾向にある。私たちはその傾向を危惧している。中学時代に比較して、学力差が拡大していく傾向を持つのは、学校の授業時間数や登校日数などの原因は無視できないが、通信制に集合する生徒の「個性」があまりに多様のためでもある。「個性」とひとくくりにすればきれいであるが、実際は教育困難と思われる生徒や、勘違いをしている生徒、興味を持つ関心の対象が全く異なる方向に向いてしまっている生徒、そしてはじめから拒否的な姿勢が見える生徒の存在などが無視できないのだ。

 

通信制高校を選択する生徒は、入学の時点で高校教育が容易ではないと思われる生徒も少なくない。不登校傾向のある生徒、成績不振の生徒または家庭の経済的環境など種々の問題を抱えた生徒が多数を占めるからだ。その中にあって、当学院では骨身を惜しまぬ努力によって、生徒一人ひとりの人格陶冶と学力形成に大いに不十分さを感じながら、一方で相当大きな貢献していると自負している。

 

入学後に生徒の選抜を行い、指導方法に格差を設けることに、私はまだ「ためらい」を持っている。そのため、現状ではそうした選抜や差別化を行っていない。しかし、その方向へ舵を切るべきではないかと常に揺れ動いている。そして、徐々にその方向へ移行して行かざるを得ないと感じている。

 

高校からの転入学生においては、前籍の高校で「もてあまされた」生徒も少なくない。転校または退学を学校側から命じられたり示唆されて転校するものがかなりの部分を占めていることがそのことを証明している。前籍の高校ではそうした生徒を排除することによって、学校全体のレベルを向上させたいと考えているようだ。高校からの指導で転校しようとする生徒数は、転入学を希望する全生徒の中では、自分の意思で転校を希望するものを超えている。

 

全日型の通信制高校サポート校として教育のレベルを上げることは容易ではない。教育レベルを、大学等への進学実績で判断すべきでないことは重々承知しているが、曲げてそうしてみると、4年制大学を志望する生徒には、通信制高校の授業のみでは容易ではないと言わざるを得ない。当学院には、夕方から始まる進学塾の「テスアカデミー」や「個別指導」の学洋会の授業を受けさせて、その期待に応えようとしている。教育の格差は当学院の内部でも拡大していると言わざるを得ない。

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2016年12月09日 00:39に投稿されたエントリーのページです。

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