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読書習慣をつくる

高校生の読書

読書の習慣がつく時期と動機についての統計的な資料が何かないかネットで調べてみました。ずばりの統計は見つかりませんでしたが、僕自身の経験も考えると、小学校から中学校の時期だと考えられます。読書習慣がついたきっかけについてネットで調べてみますと、「読み聞かせ」と小学校でよく行われている「朝の読書」や「10分読書」が多く指摘されています。確かにこの二つは、読書への導入に大変役立つ様です。

 

では、小中学生の時に、読書が好きにならなかった人は、高校生になる読書習慣はつけにくいのでしょうか。私の場合は、高校生になってから読書が好きになったように思います。特にそのきっかけとなったのは、国語のある一冊の参考書でした。僕が当時持っていた参考書は、入試対策用の問題集ではなくて、あらゆるジャンルの本から、その一部を取り出し、作者の写真をはじめいろいろな情報が集めた参考書でした。この参考書で、読書の幅やジャンルが急に広がりました。 たとえば鴎外については、山椒大夫の一節が1ページくらい紹介されていましたが、鴎外の略歴や他の著作等が紹介されていましたから、この参考書を読書案内として活用しました。効果は大変大きく、その参考書を夢中で読みました。その結果、読書の幅が急に広がりました。小説文、説明文、随筆、和歌、俳句、詩などあらゆるジャンルの文章が採用されていました。内容はほとんど忘れましたが、鴎外の横顔の写真ははっきり覚えています。

   

高校生になってから、読書好きになる動機は、ひとりの作家が好きになることです。僕の場合は、漱石です。特に「吾輩は猫である」がすきになり、繰り返し何度も読みました。一人の作家が好きになると、その作家の他の作品を読むようになります。日記や、手紙文まで全集を読むことに広がります。本の虫のようになっていきます。  読書につていは、忙しいときほど本が読みたくなるものです。また、平行して同時に数冊読むのが普通になります。

 

高校生にとっては、読書と勉強はほとんど同じ意味を持つように思います。だから読書が好きになるというのは、勉強が好きになることとほとんど同じです。勉強が苦役だとか、嫌いだという人も気持ちが僕にはわかりません。勉強イコール読書だと考えれば、読書ほど面白いことはなく、勉強ほど楽しいことはないように思います。

 

しかし、読書というのは、あくまで文化や知識の消費です。いずれは、生産する側になる必要があります。漱石は、小説を書き始める前に、何かの小説---たぶん英語の小説を読んで、インスピレーションを高めたと日記に書いてあります。消費と生産の関係がわかります。

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2016年05月16日 22:35に投稿されたエントリーのページです。

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