今、予備校講師による映像授業が人気を獲得している。実際どの駅前周辺にも、映像授業をおこなう予備校や塾が目立つ。実際、当学院でも教師によるライブの授業に加えて、河合サテライト講座を週1~2時限程度活用している。その長所は、多数の講座の中から、自分が自由に選択できること、自分の都合で受講時間をかなり自由に決められること、そして何度でも繰り返して再生できることなどが挙げられる。また、一方的に講師の解説を聞けばいいという安易さが受けていると思われる。
一方で、「教育再生会議」による5月14日に教育内容の革新として「アクティブ・ラーニング」や情報通信技術(ICT)を活用した教育を推進することを提言している。 アクティブ・ラーニングとはプレゼンテーション、ディベート、ディスカッション、課題学習、事例研究など能動的に参加する学習方法である。
このアクティブ・ラーニングやICT利用学習は、主体的に課題を発見し解決する能力やチャレンジ精神、コミュニケーション力を養うために極めて肝要だと考えられている。 ではアクティブラーニングの推進と、映像授業の隆盛をどのように考えたらいいのであろうか。映像授業の視聴ほど、受動的な学習方法はないように思われるからだ。
真剣に、アクティブ・ラーニングへの志向を考えているのは大学教育であり、高校生対象の教育は、教育再生会議も真剣に志向していないと考えられる。実際、大学入試が変わらなければ、高校生対象の指導方法が変わらないに違いない。