アリストテレスがアテネ郊外に開いた学園では、講義が園内を散策しながら行われる習慣があったそうで、このことにより、アリストテレスの学園で学んだ人たちは逍遙学派とよばれている。一方、スティーブジョブズの伝記を読むと、マイクロソフトがWindowsを出す前にビル・ゲイツと持ったミーティングなど、重要な話し合いの時に、「歩こう」と言って外に出たそうだ。
議論や講義や重要な話し合いを歩きながらするという習慣は、僕にはほとんどないので想像をたくましくして、その効用を考えてみる以外にないが、閉じ込められた狭い部屋から広い空間へ飛び出して、歩きながら徐々に変化していく景色を見ながら議論したり考えたりすれば想像力の幅が広がり、発想の転換に役立つのではないだろうか。
そこで、当学院の大垣校と各務原校を考えると、どちらも決して大きいとは言えないビルであり閉鎖的な空間である。しかし、大垣校には直ぐ近くに「大垣城公園」があり、また各務原校には「各務原市民公園」がある。どちらも相当広く散策したり、21世紀の逍遙学派を育てるに適している。少なくともボール遊びやちょっとしたゲームなどをするには最適な場所である。実際、現在でも公園をそのように利用させてもらっている。
桃李国際高等学院としてこの恵まれた立地をもっと利用しない手はないと思っている。小さいビルに生徒を閉じ込めたら、生徒の創造性まで小さくしてしまいかねないと思うからである。もう少し陽気が良くなったらもっと積極的に利用しよう。どちらも当学院の校庭か附属の庭園としてまたは「借景」として利用したいと思っている。そうすれば、平均的な高校よりずっと贅沢な校庭が利用できる。そして、ここから、次のスティーブジョブズが生まれるかも知れない。いや生み出したいとの真剣に望んでいる。