今年は、ある地方の元県会議員が号泣するシーンを何度も見せられた。12月には衆議院の解散総選挙も行われた。光陰矢の如く過ぎ去ることにも慣れたが、私も兼好に習って、「心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつく」ろうと思う。
鴎外は「お上の事には間違いはございますまいから」といって、権威がいかにいいかげんであるかということを逆説的に述べた。自らが軍医総監という権威者であったから、なお説得力を持つ。
政治家は地方政治であっても、国政であっても高い品格が求められると思う。倫理観が最も求められる地位であり、職業だ。Noblesse Oblige という表現があるが、政治家にとって最も重要な資質であろう。
しかし、現実はどうか。国民の中で、政治家を「エリート」と思っている人は、実は大変少ないのではないだろうか。真のエリートでも何でもないと見限っているように思われる。
私が政治家に期待することは、「ノブレスオブリージュ」とか「エリート」の高邁な精神ではない。国政、県政関係なく私が政治家に期待することは、ごく平均的な国民の倫理観と義務感である。特に「会計処理」については、政治家自身が、零細企業の社長程度には注意を払って、疑義のない様に配慮することが求められると思う。政治家自身が会計責任者のトップであるという認識とそのための法整備が必要だと思う。