公立高校入試には、単願(専願)と併願があります。このことは、皆さん知っているとおりです。併願というと公立高校と私立高校とを受験するのが普通です。
受験校を決める際に、第一志望校に全員が合格できるように、「偏差値」と「内申点」を用いて、進学する高校を生徒自らの意志と関係なく決められてしまうことが現実には多いのではないでしょうか。生徒自身の意志より、「偏差値」と「評定」が重視されて受験校が決まるのとすれば、皆さんの意志と関係なく君たちの将来が決まってしまうことになります。評定と偏差値の数字で決まってしまっていいはずがありません。
皆さんには、自分の意志を大切にしてほしいのです。高校へ進学するのは君たち自身ですから、君たち自らの意志が一番大切にされなければならないことは当然です。先生が決めるわけではありません。担任の先生は、できれば不合格者を一人も出したくないという気持ちから、受験校について明確に指導される場合があります。先生方のその気持ちは十分わかるのですが、実際に進学するのは君たち自身ですから、先生が推薦される高校が自分の希望に添わないときは、そのように臆せず先生と議論して下さい。そして、皆さんには、自分の意志を貫いてほしいのです。本当に行きたい高校を簡単に譲る必要はありません。「初志貫徹」をモットーにして下さい。
「偏差値」などと言う数字が、皆さんの一生を左右するほど影響力を持つことは、本当はばかげたことです。「偏差値」などに惑わされる必要は全くありません。調査書に書かれた、9教科の評定も同様です。この数字も、学力のほんの一部を表しているにすぎません。頑張って合格することが一番いいに決まっています。これは確かです。しかし、こんなことは誰も言わないのですが、実は頑張って不合格になることも、長い人生においては大きな意味があることなのです。人生がそれによって、飛躍するかも知れないからです。
併願には、皆さんに初志貫徹を促すという意味があります。併願で安全性を確保しておき、第一志望校は、本当の自分の希望校にこだわって下さい。簡単に妥協しないで、初志貫徹しましょう。もちろん、単願でもかまいません。実際、私は1校しか高校受験はしませんでした。第一志望校が1校しかなければ単願でかまいません。その目的に見合う努力をすればいいのです。私も先生としては、塾生の全員合格を願っています。