冬休みの宿題に「読書感想文」を書きなさいという宿題が出ている学校はありませんか。読書感想文を書くのって、苦手だなという人も多いでしょう。大学入試では、本の一部分を読んで自分の考えることを書く試験は普通にあります。就職試験でも定番です。これを小論文試験といっています。大学受験でもかなり難しい試験です。ですから皆さんが苦手なのは当然なのです。
作家の清水義範さんは、読書感想文は安易に宿題に出すべきでないと言っています。読書や作文が嫌いになってしまってはダメだからです。また、丸谷才一という評論家によると、読書感想文は、書評か文芸評論というものと同じで、プロの作家でも難しいものだと言っています。
ですから、皆さんが読書感想文を書く宿題ができなくて困っても当然なのです。読書感想文が書けないために、自由に書く作文も嫌いにならないでほしいと思います。でも、冬休みの宿題にでた場合のために、どのように書くかその書き方を考えてみましょう。
読書感想文には課題図書が決まっている場合と、本を自由に決める場合があります。課題図書がある場合について最初に説明します。まず全体を大きく3つの部分に分けましょう。最初の部分では、その本を読んで自分が疑問に思ったこと、なぜだろうという問題に感じたことを書きます。どうしてだろうか?という疑問です。ここであらすじをまとめる必要はありません。いきなり本論へ入っていけばいいのです。自分が問題だと思ったことを明記するのです。
第1の部分では、第1の部分で取り上げた疑問に対してあなたが考える理由を書きます。創造力を発揮して書きます。自分ならこうした方がいいのではという反対の気持ちを書いてもかまいません。
最後の3つめの部分で、自分がどんなところに感動したか、そして将来に活かすとすればどのように活かせるかを書いて下さい。ここで大切なことは二つです。一つは、具体的であることです。ただ、「感動した」と書いてもどこに感動したかわかりません。なぜ感動したかも不明です。具体的ということは、読む人がしっかりわかるようにと言うことです。もう一つ大切なことは、ユニークであることです。誰でも考えることではなくて、創造力を発揮して書いて下さい。
課題図書が決まっていない場合は、最初にどうしてその本を選んだかを書くと良いでしょう。読書感想文を書くと言うことは、読書をするということと作文を書くという二つの難しいことを同時にやらなくてはなりません。
しかし、その難しい二つのことを両方ともやり遂げたということは自信をつけることになります。君がどんな意見を持ち、何を書いてもかまいません。他の人と違っても全然かまいません。むしろ、人と違うことを書いてやろうという位に思って書いて下さい。これがユニークということです。