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看護系学部が増加

看護系学部が増加

高校生が、進学先つまり受験大学を決める際に、その時々の経済の状況や流行が反映していることは言うまでもありません。地方の国公立大か、中央の私立かといった選択もその一つです。大学入学希望者と大学等の全定員の比較をすると、少子化の影響が大きく、最近では大学定員数の方が、入学希望者数より大きくなっています。かっては入学希望者数が定員全体より格段に大きかったのために厳しい受験競争が起こったのです。この逆転が起こったのは、2009年頃だと聞いています。

 最近の目立つ傾向としては、看護系学部の急増があります。この1~2年を考えても、看護系学部新設の報道が多く、看護系学部を持つ大学が増加しています。近隣の大学に限っても、2014年に新たに開設した大学は、中部学院大学、朝日大学など全国では10校近くあり、2015年に開設を計画している大学は金城大学、人間環境大学(日本医療環境大学に改称)など、全国で多数の大学が看護学部の新設を計画しています。この背景には看護師が需要より供給不足だといわれている状況があり、就職難で「手に職」をつけようという学生が多く志望していることが考えられます。一方の学生を獲得したい大学にとっても期待できる分野だと考えており、急ピッチでの開設ブームとなっていると考えられます。

 こうした事実を考えますと、大学は「手に職」をつけるなど、職業訓練の場なのかという疑問がわきます。元々は、大学は学問研究の場であることが本来的な役割りであったと考えられますが、最近ではこの役割は、大学院に移ってしまたったのでしょう。インターネットが普及し、あらゆる情報が公開されていますから、大学に入らなくてもインターネットから、学術論文を入手して読むことができます。こうした現実を考えると、通学して対面授業や実務の訓練を要するトレーニングは、大学の役割となったと思われます。大学は職業訓練の場としての機能の方が重要になっているのはむしろ当然かと思われます。

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2014年10月06日 20:26に投稿されたエントリーのページです。

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