来年度は数学で新課程の入試が始まる。数学Iに「データの分析」が入り,二進数も重視される。また、数学Cが廃止されその内容の一部は、数Ⅲや数Bに入る。そのため 「行列・1次変換」がなくなる。そのかわり、数学Ⅲには「複素平面」が復活する。「複素平面」と「行列・1次変換」は何度も現れたり消えたりしている。
2015年度の入試がどうなるだろうか。1997年度の入試が参考になる。「1次変換」が「複素平面」に切り替わったからだ。「1次変換」と「複素平面」とで共通点は、平面上での点の回転や拡大移動を扱うことができるという点である。点や図形の回転や拡大の問題は、どちらの知識でも扱えるポイントだから、狙い目の一つである。
しかし、このときも、複素平面の知識がなければ考えられない問題も多く出題されているから、平面上の回転や拡大だけに絞ることはできない。
入試を考えないでも、一次変換と複素平面のどちらが大切かは難しい。どちらも重要である。行列・一次変換は大学入学後に線形代数としてしっかり勉強するほかないようだ。