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命を大切にする教育って何をすればいいの

命を大切にする教育って何をすればいいの

県や市の教育委員会のホームページを見てみると、そこで「命を大切にする心の教育」として述べられている「指針」や「取り組み」の発表等は、生徒の「自殺防止」の視点が主なようである。しかも、道徳教育を重視するなど方法論が多い。かなり具体的な指針を述べている記事もないではないが、ほとんどが極めて抽象的で具体性に欠ける。

 命を大切にする教育といえば、幼児期から青少年期におよぶ長い期間にわたって必要なものである。大人になってからも必要ではないだろうか。それも抽象的な議論ではなくて極めて具体的な方法の提案が必要なように思われる。さらに「教育」と言っても、数学や英語の教育と異なり、全ての人がかかわるべき対象であろう。教職の免許の所有と無関係な対象である。すなわち講義ではなく、実践と討論が重要である。

 私の個人的な経験を話したい。 おそらく小学生の頃から、私は色々な動物を飼ってきた。その中で最も懸命に行ったのは、すずめの飼育である。雀を育てることは、手乗り文鳥のように簡単ではない。まず、すずめの巣を見つけ、毛の生えていない幼鳥をハシゴを使って捕まえてくる。この捕獲は、私の父と一緒に行った。その後、昼夜を徹して餌付けを行った。

 すずめの雛を育てることは、大変な労力を要する。方法は、ほとんど忘れてしまったが、箸の先に卵の黄身と「あわ」か「ひえ」を混ぜたものをつけて、少しずつ食べさせる。これが成功して、しっかり飛べる雀にまで育て上げることほど自慢はなかった。しかし、今では、野鳥であるすずめの幼鳥を捕獲することは、自然保護主義者の感覚から外れるだろうと思っている。

 それに比べれば、鳩やカナリヤなどの飼育は容易だ。また毎年家には、ツバメが来て巣を作った。雛が巣立ちするまで大切にした。犬や猫など動物だけでなく、植物を育てることも、命を大切にする気持ちを強くするために役立つと思う。少しでも水やりを忘れると、葉がしぼんで枯れてしまう。こんなことを長い間やってくると、ゴキブリや昆虫のように小さいものまで、大切に思う気持ちが育ってくる。私は今でも殺虫剤や除草剤は使用しない。庭の草刈りも、冬になって虫の音がほとんど完全になくなるまで行わない。

 もう一つ私が少年の頃一生懸命おこなったのは、鈴虫の飼育である。鈴虫の飼育はそれほど難しくない。毎年、冬越し時には砂を乾燥させ、春の終わり頃にその砂を霧吹きで湿らすことだけでよい。もちろん殺虫剤や蚊取り線香は禁物だがそんなことは、小学生にもなれば自然に分かる。自分が毎日食べるものも全て生命体であるから、殺さなければ食べられない。この矛盾は、食べるための場合だけは仕方ないと割り切る以外にない。

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2014年08月01日 20:37に投稿されたエントリーのページです。

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