「何で」とか「どうして」とか理由を何でも聞けるのは、若い時だけの特権です。 皆さんが学校や塾の先生、あるいは両親など周りの大人の人に、理由を何度もうるさく聞いても、彼らは一生懸命答えてくれるでしょう。それは、どんなことに対しても疑問を持つことは、望ましいことだと考えているからです。
もし歓迎されない場合があるとすれば、説明することが容易でなかったり、自分でもよく分からないこともあるからです。そんな例はいくらでもあります。
「どうして夜は暗いの」とか、「どうして虹は出るの」とか、「どうして飛行機は飛ぶの」など理由をごまかさないできちんと説明することは難しいでしょう。実際、飛行機が飛ぶ理由はよく分からないといった方が正確です。
でも、やがて君たちが大人になると、安易に理由を聞くべきではない場合が多くなります。その理由は、理由自体は自分で考えたり、色々な情報を集め総合して考えるべき対象になってくるからです。
その場合に大切なのは、「想像力」です。想像力というのは、心の目で見ると言うことです。心の目で見るというと、サンテグジュペリの「星の王子様」のキツネと王子様との会話を思い出す人も少なくないでしょう(下に注として引用)。
理由は想像力を働かして自分で考えるべきもの、その場ではよく分からなくても時間をかけて見聞きしていくうちに、徐々に分かってくるものになってきます。その中で分かるまでしつこく調べ続けるという態度が生まれてきます。
しかし、君たちは今のうちは安易に何でもきいてかまいません。疑問を持つことはことは、その答えを見つけること以上にすごいことだってあります。問題を見つけることの方が答えを見つけるよりすごい場合は、決して珍しくありません。がんがんきいて周りの大人を刺激してあげましょう。
(注) 「 心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。」