大学案内などで学部や学科の紹介を見ていると、「グローバル人材」というが目立つ。ある大学の今年の小論文試験では、「今グローバルに活躍している人を一人上げて説明しなさい。」といった課題が出された。「グローバル化」とか「グローバル社会」というキーワードが最近特によく目に付く。上智大学では、現在「総合グローバル学部」の設置申請中だそうだ。大学もトレンディな話題には敏感なのだ。もう一つ最近のトレンディは、「看護学部」が増えていることだ。かって「人間環境学部」などが増えた時期もあった。ちょっと聞いただけでは、どんなことを勉強する学部かわからない学部もある。「ビジネス学部」と聞いて、キミはすぐにわかるだろうか。経済学部、経営学部や商学部とは違うことはわかるが、大学案内を見ないとよくわからない。
もう一つもっと大きな傾向として、そもそも大学の数が増加している。子供の数が減少しているにもかかわらずだ。また、毎年、新設校や新学部が誕生している。そのような学部学科の新設は、将来必要とされる人材を先取りしていると考えられる。どんな学部学科が新しく作られているかを知ることは、将来有望な職業を見つけるいい教材なのだ。実際、新設校や新設学部を狙う手もあるかもしれない。就職などの実績は乏しいけど、これから伝統を築こうという情熱は期待できるだろう。
ところで、私立大学はすべて、学校案内パンフレットが無料でもらえる。国立大学だって送料の210円くらいのものだ。桃李学園にもたくさん送られてくる。短大や専門学校のパンフもある。ここで高1高2高3すべての諸君に提案がある。 「志望大学に関係なく、大学案内を読んでみよう」ということだ。中学や高校では、「キャリア教育」が必要などと言われ、先生方もその必要を感じていまその方法を研究中だ。僕も思案中なのだ。しかし、いろいろな大学の案内パンフレットをしっかり読めば、一番いいキャリヤ教育が自分自身でできるように思う。最近のトレンドもわかるし、一石二鳥だ。最初は、いわゆる「総合大学」のパンフレットがいいだろう。仕事全般の傾向がわかるからだ。総合大学なら、人文科学、社会科学などの文系学部があり、理系学部には、理学部や工学部、医学部などがある。その他、教育学部や家政学なども含まれている学校も少なくない。そうした大学のパンフレットには、きっと「先輩の声」といったコラム欄があり、先輩の経験談が読める。またどんな会社へ就職しているかもわかるから、こんなすばらしい「キャリア教育」の教科書はないと思われる。また、「建学の精神」とかそれぞれの大学のモットーが書かれているのが普通だから、自分の「座右の銘」が見つかるかもしれない。自分の将来像が、そのパンフの中から見つかるかもしれない。