公式を丸暗記するより、証明方法をおぼえよう
高校数学で公式が特に重要な役割を果たす分野があります。どの分野でも公式は重要なことは当然ですが、その中でも多くのみなさんを悩ましている領域は、三角関数や指数関数、対数関数などではないでしょうか。 センター試験の攻略を考えると、センター特有の出題傾向や出題形式になれることに加え、基本的な公式を使いこなすことが大切です。指数関数と対数関数に比較すると、三角関数の公式は格段に多く、他の分野より公式を頻繁に使わなければなりません。しかも、どこまで公式を暗記すればいいのか、そもそも公式は暗記しなければいけないのか、それともその場で公式を導いて使用した方がいいのか、こういったことに迷う人もいるでしょう。この問題について考えてみましょう。
ところで、英単語を覚えるとき、単語だけ取り出して暗記しようとするよりも、その単語を含む例文を暗記した方が、新しい単語は暗記しやすいことは皆さんも知っていると思います。それと同じように、公式を丸暗記するよりもその導き方を記憶した方が覚えやすく、利用する力もつくのです。だから、証明方法を覚えるべきです。そのもっとも有効な方法として、教科書を何度も書き写して暗記することを勧めます。
指数関数や対数関数の計算は得意ですか?
三角関数に比較すると、指数や対数の方が覚えるべき公式が少なく楽なのに比較して、三角関数は大変だというのが皆さんの共通した意見ではないでしょうか。確かに、三角関数は公式が多いため、苦手で嫌いという人が少なくないのが現実です。しかし、実社会では、測量、カメラのレンズの設計、CG(コンピュータグラフィック)や、ゲームなどの3D技術などに三角関数は多用されています。高校数学でも、三平方の定理の拡張である「余弦定理」など、三角形等の図形の問題やベクトルの内積などでもしばしば利用しますから、練習する機会は指数や対数の問題より多いのではないでしょうか。
これに比べて指数や対数の利用は、実社会では、音響の問題や種々の調査の整理などで大活躍する割には、高校数学では利用の機会が少ないため、問題練習不足になりがちなのです。基本的知識をしっかり持つために、教科書に戻り教科書を精読しながら、書き写してみてください。教科書には、公式の利用の典型的な例が、公式を導く段階で大切なポイントが示されています。まずそこをしっかりと理解して記憶すべきです。
では、実際に公式の導き方を復習してみましょう。次の公式の証明してみてください。
問題1)対数の底の変換公式を導いて下さい。
問題2)三角関数の加法定理を導いてください。
問題3)加法定理から2倍角の公式と半角の公式を導いてください。