「人間の真の価値は、主に自己からの解放の度合いによって決まる。」 これは、アインシュタインの言葉です。非常に深いことを言っていることは分かります。「自己からの解放」とはどんな意味でしょうか。完璧なフレキシビリティを持つことのようです。ほとんど、自分というものがないくらいに。何でも受け入れる心構えができていることを意味しているのでしょう。
また、アインシュタインは、「常識とは18歳までに身に付けた偏見のコレクションのことを言う」とも言っています。この格言と、上の「自己からの解放」の格言を対比すると、アインシュタインの言いたいことが分かるように思います。
頑固というと、老人のイメージかも知れませんが、アルツハイマーのような病気の場合は別にして、年齢には関係ないようです。中学生や高校生のような若い人でも、自己からの解放が全くできず、教師を含めて他人の意見を容易に受け入れない人がいます。決して少なくないように思われます。こうした生徒は、先入観を持って文章を読むので、評論文の読解問題ではでなかなか点が取れないことが多いのです。 課題文型の小論文で、「課題文で述べられていることについてあなたの意見を述べなさい」というように、課題文の正確な読み取りを必要とする問題にあたると、ほとんど得点できない生徒が少なくありません。
アインシュタインの高度なレベルの格言からいきなり、中学生や高校生の国語のテストまたは小論文の得点に落ちてしまいましたが、実はぼくにとってはこちらのレベルの話の方も、大切なのです。小論文の受験指導をしているからです。
そんなとき、私は、キミの頭の中のコップには水が既に満杯に入っている。まずその水をすべて捨ててきなさい。といって、指導しているのですが、あまり成功しません。 しかし、大人でも実は同様に人の意見を聞かず進歩しない人が少なくないと思います。