「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」(新潮文庫)という本があります。これは、作家で劇の脚本も書いている井上ひさしさんが主催していた作文教室です。たいへん面白い本です。井上さんが141人の仲間の作文をていねいに一冊ずつ読んで、井上さんが批評するのですが、どこをどのようにほめるかが興味深いのです。
その本の中で、井上さんが薦めている国語辞典があるのですが、それは、「角川必携国語辞典」という辞書です。しかも、井上さんはいつも自分の手のとどく所にその辞書を置いていたと書いています。
また、立命館小学校では、小学校1年生から辞書を引くことをすすめて授業に取り入れ、生徒の学力向上に大きな成果を上げていると、教頭の深谷圭助先生が書かれた本に書かれています。
辞書を引く習慣をつけることは、自分で勉強する習慣を身につけることにつながり、たいへん良いことだと思います。ところで、皆さんは、辞書を持っていますか。持っている人は、それは紙の辞書ですか、それとも電子辞書ですか。どちらでもかまわないと思います。紙の辞書なら調べた言葉や語句にどんどん付せんを貼って、辞書を厚くしましょう。最近の電子辞書でも付せんの機能はあるようです。使用しましょう。
大切なのは、いつも机の上に置いておくことです。しまい込まない方が良いのです。カバーは取ってしまいましょう。辞書を本のように楽しんで読めるようにしましょう。
辞書はどんな辞書でもかまいません。小1から小3までは、フリガナがすべての漢字にふってあるものが良いでしょう。先にあげた立命館の教頭先生の本には、「チャレンジ小学校国語辞典」(ベネッセ)、「小学国語辞典」(光村教育図書)などがすすめてあります。 小4以上の生徒の為には、井上ひさし氏が薦めている「角川必携国語辞典」と、権威のある「広辞苑」(岩波書店)がお勧めの辞書としてあげられています。