「朝日新聞」と「ベネッセ教育研究開発センター」は、共同で小中学校の保護者を対象にして意識調査を4年に1回実施しています。その3回目の調査が、2012年11月から2013年1月に行われ、その結果が今年の3月に報道されました。 この調査は、学校教育に期待すること、学校の取り組みへの満足度、習い事や塾、子どもの学習の様子など、極めて広範囲な見地からの調査です。 その中で、学校週6日制についての調査結果が含まれています。週6日制については、ゆとり教育の期間中も、一部の私立高校等においては継続して実施されていましたが、脱ゆとり教育の一環として、いま徐々に増加しつつあります。また、様々な議論が続いています。
上記の調査によりますと、学校週6日制に賛成する保護者の割合は、80.7%と約8割も賛成していることが分かりました。「完全週6日制」と、月に2~3回土曜日に授業を行う「隔週6日制」を望む割合は下のようになりました。
完全週6日制 23.4%
隔週6日制 57.3%
合 計 80.7%
週6日制には、8割の保護者が賛成していますが、教師の立場から考えますと、土曜に出勤する必要がありますから、おそらく反対の立場の人の方が多いだろうと思われます。私は、週6日制に対しては消極的ながら賛成です。確かな学力の形成は、学校での学習時間だけで決まるわけではなく、学習法や授業法が決め手となります。従って時間より、良い授業が学力を向上させる決め手だと思っています。授業力のアップをそのままにしておいて、授業時間だけ増やしても効果が小さいと思われます。 しかし、勉強習慣をつけ指すためには、学校での授業時間が有効で有ることは確かだと思われます。週6日制が勉強習慣をつけるために有効なら、登校日数を増やせばいいと考えます。これが賛成の理由です。
上のデータで8割もの保護者が、学校の週6日制に賛成しているのは、子どもが土曜日に家でぶらぶらしていたり、ゲームやネットサーフィンばかりしているのを見ていらだっている状況があるように思われます。単純に土曜日も学校で預かってほしいという理由だと思われます。
教育について方針を間違えると、結果が出るのに長い時間がかかるだけでなく、方針を変更するためにまた長期の年月が必要となります。教育政策はもっとも失敗してはいけない分野です。自分の立場からものを言うのでなく、広い見地からしっかりした議論が必要だと思います。