① 結論を最初に述べる 「序論 → 本論 → 結論」 『序論』では、課題文の筆者が訴えたいことを挙げ論点を確認し、自分の考え (結論) を述べます。最初に自分の結論は明らかにしてしまいます。 『本論』でその根拠を挙げ、具体例を示します。 『結論』で再度結論を述べ、自分の考えをまとめます。
② 結論を最後に述べる 「問題提起 → 展開 → 結論」 『問題提起』では問題になっている点を挙げ、普通、「では、・・・することは・・・だろうか」の疑問形をとります。しかし、実際に疑問符を付けることはまれです。この部分ではまだ自分の結論は開示しません。 『展開』の部分で意見提示部の原因・背景や結論に至る理由を述べます。根拠となるような例を記述すると説得力が増します。また、反対意見が考えられるときはその反対意見に対して反論することも大切です。この部分は全体の60%程度の文字数を用います。 『結論』 結論を述べ、まとめる部分です。結論の部分は全体の字数の約2割程度が妥当です。
①と②はどこが違うか
上の①と②の違いは、最初の段落つまり、①では「序論」、②では「問題提起」の部分です。ここで、自分の意見つまり、「結論」を書くかどうかの違いです。一長一短があります。最初に結論を書くと、その部分がレジュメのような働きをして、その小論文の論旨が明瞭になる利点があります、しかし、その後の「本論と結論」の存在意義は薄らぎます。
②の構成方法は、さいしょは「問題提起」だけにとどめ、自分の結論は書かない構成方です。その後の「展開と結論」の部分は、生き生きと書ける可能性があることが利点です。しかし、最後まで読まないとその論旨が把握できないというデメリットもあります。
実際の小論では、どちらもあると考えられます。全体の文字量にもよりますが、私は最初に結論を書かない構成法をしばしば選びます。その方が、後の段落の意義を高めることができるからです。 また、最初に結論を書いてしまうと、その後が無駄でつまらなくなる恐れが少なくありません。最後まで読ませる緊張感を持たせて小論文を構成することがむずかしくなります。