小論文として出題される問題には、テーマ型の小論文問題のように、自由に自分の考えを述べることの出来る問題から、現代文の問題といった方が良いものまであります。 現国的な小論文の問題には、複数ある設問の中に、「筆者の考えを基にして自分の考えを述べよ」という問題が一つ含まれているため、小論文問題となっているのです。しかし、実態は現代文の読解問題との融合問題といった方が正確です。
受験生の小論文指導の指導を長年やっていますと、「現国的な小論文問題」のほうが、自由度の高いエッセイ的な小論文問題より、苦手な生徒が多いことが分かります。 「ほとんど現国」的な小論文問題とは、「課題文の読解重視」の問題ということです。 言い換えると、小説や評論文など現代文が苦手ということです。そうした問題になると、小論文の成績が大きくアップダウンするのです。課題文との相性によって、課題文がよく理解できたときは、いい小論文が書けますが、よく理解できなかったときは、ぼろぼろになってしまう。このあたりは、現国の成績とほとんど同じだと思われます。できばえは、課題文との相性次第ということになり、成績が全く安定しません。極めてあぶなっかしいことになります。
そうした生徒の読み方には特徴があります。現代文を読むとき、自分のカンを頼りに自分流の推理してよんでしまい、筆者の思ったことや感じたことを読み取ろうという気持ちが、ほとんどないのです。
ぼくは、いつも「筆者に寄り添って課題文を読みなさい」といっています。 危なっかしい生徒の読み方は、課題文を参考程度に読み流すだけで、筆者の感じたことなど、くみ取ろうという気持ちはほとんどありません。それでは、自由作文としては良いことがたくさん書いてあったとしても、試験としても小論文の得点は稼げません。
現代文的小論文を出題する大学の方が一般的で、しかもそうした大学では毎年同じ傾向で出題しています。岐阜大学の前期・後期入試問題もその傾向が最も強い大学です。小論文に強くなるには、まず現代文に強くなることが、条件です。