国立大学入試の前期日程がいよいよ来週の月曜日に迫ってきました。 私が担当している小論文の勉強方法について、特に岐阜大学・地域科学部の小論文入試を中心に考えてみました。小論文入試では、読解力や論理的思考力・表現力、関心の広さ、着眼点などが評価されます。付け焼き刃では合格を勝ち取ることは容易ではないことが分かります。読書体験を積んでおくことが求められるからです。
実際、受験生の指導をしてみますと、出題される課題文の中には、英文等で書かれた原文を日本語に翻訳した文章が課題文として出題されることがありますが、受験生にとっては、この翻訳文の読解は容易ではないようです。こうした課題文の場合、極端に合格点がとれなくなります。また、一般に課題文のテーマが極めて広範で、社会科学系のキーワードがでた場合、普段から慣れ親しんでいないと、理解することが困難な場合が少なくありません。また、毎年岐阜大の地域科学部の入試で出題されているグラフの読み取りも練習しないと、どんな点に着目し、何を読み取って記述するか、たいへん難しいと思います。
私が小論文指導をする場合、受験直前から始める場合がほとんどです。2週間くらい前のことが多い。わずか2週間で不合格答案を合格答案まで引き上げることは、たいへん難しいといわざるを得ません。予備知識を得るための読書の時間もありません。授業の最初に、それまでの小論文に対してどんな準備をしたかを聞いて見ますと、希に学校で何度か練習してみたという生徒もいることがありますが、大部分の生徒は2週間前までに何もしていません。
受験は計画的に進めることが大切です。志望校を早く決めて、十分時間をかけて取り組むことが必要です。私は、過去問を10年分やることが必須だと思っています。そして、広い読書も大切です。そうしたことを考えると小論文の試験準備には、最低でも2~3か月は必要です。受験大学と学部を高3になる前の春休みの間に決めることができれば、受験勉強を有利に進めることができて、合格へグンと近づきます。