先日私が持っている高2のクラスで次のような問題を授業前に出してみました。 ファイルをダウンロード という問題です。これは神戸女子大の入試問題ですが、センター試験の過去問にもありそうです。どんな問題集にも採用されているような極めて典型的な問題です。
ところが、苦労している生徒が多い。方針がすぐに立ち、すぐに計算を始める人が少なく、手が止まってしまう人が多いのです。
この中には、数学を得意科目にするヒントがあると私は思いました。では、どうすればいいのでしょうか。
1回1回の問題練習を大切に、そのときの問題と解法を覚えておくことなのです。そのときの問題と解法を頭に印象深く残すこと。いわば、頭に何らかの「キズ」をつけて残すと言う感覚です。興味を持っていれば、問題の模範解答を見たとき、または教師が解法を示したとき、「なるほど」とか「おー、そうやればいいのか」と言った感慨が生まれるはすです。その感慨または感動があれば、絶対に記憶に残ります。
教師としては、なるべく印象深く長期記憶にとどまるように工夫して説明するのですが、生徒の琴線に触れなければ、何の感動もなく長期記憶には定着しません。短期記憶はできるようで、そのときは分かったつもりになっても、次に同様な問題に当たったときに思い出せない。これでは学習の効果があまり上がりません。
成績を上げるには、感情や感覚が大切な気がします。感動できるか、全く無感動なのかで、どの程度学習の効果が上がるかが決まるのです。これが「Aha 体験」でしょう。 一問解いたら、「アハァ」とか「おー」とか「なるほどー」とか言ってみて下さい。そのときの感覚を記憶するのです。