小論文入試には、課題文があるものと、ないものがある。課題文の代わりに表やデータが示される場合もある。課題文が無いものは、「テーマ型」と呼ばれる。 テーマ型の小論文は、入試では少数派である。通常は、課題文が与えられる。しかし、入社試験では、むしろ主流である。
テーマ型、課題文型のいずれにもそれぞれ難しさと、逆に取り組みやすさがある。 最初に「テーマ型小論文」が大学入試においては少数派である理由を考えてみよう。 第一の理由として考えられることは、高3受験生にとっては、まだ人生経験が豊かとはいえず、課題文を与えないでテーマだけ与えて意見を述べさせることには、種々の困難性が予想されること。つまり、課題文を与えて、考えるヒントを与えようという考えによると考えられる。 第二の理由として、テーマだけでの場合、受験生は課題文がある場合に比較して何も拘束がなく自由に書くことができる。従って、入試として小論文の評価に困難性が予想されること。または平等性が保ちにくいと考えられること。
一方の課題文型は、ほぼその逆である。受験生は課題文をヒントにして、たとえ予備知識が乏しくても考えを巡らし、論文に仕上げることができると考えられる。また、論文の評価もテーマ型に比較すれば、平等性が確保しやすいと考えられる。 ただし、課題文型には別の困難性がある。つまり、読解力が問題となるのである。約2000字程度の課題文を、最初から最後まで緊張感を保ったまま、きちんと読む力つまり忍耐力が必要となるのである。課題文の読み込みが浅いと、「合格小論文」にはなり得ないだろう。これが、テーマ型にはない難しさである。
テーマ型の小論文入試は少ないとはいえ、大学によっては毎年テーマ型小論を出題するところもある。そうした大学は、出題傾向が大変似ている。酷似していると言って良い。だから、過去問をしっかり勉強する必要がある。 さらに、テーマ型小論文入試の征服の秘けつは、たとえ「付け焼き刃」での良いから、直前に大いに評論文の読書することである。そして重要語句を覚え、自分の考えをつくっておくことである。書くことも大切だが、読むことも劣らず大切なのだ。
テーマ型入試問題の例題
「現在、日本では少子高齢化が問題視されています。なぜ少子高齢化が生じているのでしょうか。また、少子高齢化が進行すると何が問題なのでしょうか。あなたの考えを800~1000字で述べて下さい。」 (中部学院大学・リハビリテーション学部2011年度一般推薦入試)