領土問題は難しい。領有権を主張するために、支配の歴史等を詳細に調べ上げて積み重ねるにせよ、どちらの国も自国に都合の良い部分を集めるに懸命になるだけだから、第三者の国からすれば、説得力はほとんどない。相手の主張を平等に評価すれば、どっちもどっちだという気持ちになるのが落ちだろう。そのこと自体が困難なことだ。
私は、北方領土、竹島、尖閣諸島いずれをとっても、武力衝突の危険まで冒して、自国に領有権があると言った主張する価値があるとは、とうてい思えないのだ。そんな貴重な島はどこにも無い。
まず第一に、日本国内に土地は余っている。その上現在は人口が減少しつつある。第二に、国際化が進み、国際間の取引が競争化すれば、自ずから価格も自然に調整されるであろう。竹島が韓国に所属したと仮定して、韓国の漁船が漁をしてそれを輸入すると考えると、その価格は日本の漁民が取った場合とそれほど変わらないであろう。
ぼくが、「弱腰」とか「売国奴(いつの時代か)」などと言われても全然かまわない。すべての領土問題は、相手国に差し上げますとこの際、言ってしまいなさい。領土問題が、歴史問題となり、感情論になれば、危険が一気に増加する。すでに「歴史問題」になっている。だから武力衝突も起こりうる。その危険すら感じる。それほど価値のある島は、どこにもありません。ぼくにとっては、韓国や中国に旅行に行ったときの方が、そのときだけが大切なのだ。また、韓国や中国の友人だけが大切なのです。かって日本の経済力が圧倒的に強かった時期は、北方領土が日本に返されたら、日本人がすぐに温泉でも掘って観光地化するから、豊かな自然が破壊されてしまう。そうなると困る。だから、もうしばらくロシアの領有にしといた方がいいと思っていた。日本の経済力が弱体化した後はそうした心配は減少したが、ロシアの方が強くなって、どんどんロシア化してしまっているだろう。今更返してもらって困るなと言うのが本音だ。
尖閣諸島の近くの海から原油がとれるなら、中国に一生懸命掘ってもらったら好い。では、日本が経済的に豊になるにはどうすればいいのか。日本は、知的な商品を開発して、世界に売れる商品をつくる以外にない。それができなければ、貧しい国に少しずつなっていくだろうがそれは仕方ない。戦争はないと思うが、そのリスクを賭ける価値すらない。 (この意見に対して、私に直接反論していただかなくても結構です。反論が多いことは分かっています)