大学受験生にとって、特にセンター試験においては国語の得点が最も変動しやすく、命運を分けることが少なくありません。 国語の勉強法がよく分からず、勉強してもすぐに得点に結びつかないとして、ほとんど何もしない人が多いのが現実です。
そこで私は、受験用の国語の参考書を「読書案内」として使うことを提案したいと思います。高校生のみなさんで、読書習慣を持っている人はまだ少数ではないでしょうか。そこで、受験勉強をしながら読書習慣が付けば、こんなメリットが多い受験勉強は他にはないでしょう。
Aさん: 「受験勉強をしているの?」
Bくん: 「いや、勉強じゃなくて本を読んでいるだけだよ」
こんなことを言わせたいのです。
さて、国語の成績の決め手は、現国とくに評論文での読解だと思われます。そこで、現国の受験用参考書を読書案内としてつかえないかという目線でぼくも探してみました。しかし、いずれも正解を見つけ出す技法つまり、「解答術」が多いようです。「落とし穴」としてつくってある、誤答の選択肢にはまらないように、正解の選択肢を見つけ出す方法が述べられています。そんな本は、たとえ2色刷であっても見やすいとはいえません。読書案内としては、あまり適しているとはいえません。
現国の参考書を「読書習慣をつけるための読書案内」として有効に使えるものはないか探しているは、私自身が高校生の頃、そんな現国の参考書を持っていて、隅から隅まで読み、その参考書がぼくの最高の読書案内となったからです。その参考書はいまでも記憶しているのですが、種々の古典も含まれ、韻文の詩や俳句まで含まれていて、掲載された文章が読書案内としてたいへん有効で、その上、文章の概説や作者の説明または写真等から、ぼくの関心がどんどん広がり、読書の幅がどんどん広がっていきました。
その目的からすると、「現国」の参考書より、むしろ「小論文」の方が良いかもしれません。本の構成が単純だからです。しかし、現国の参考書も小論文の参考書も。本当に読んでほしい、古典などほとんど採用されていませんから、やはり読書案内として最適とはいえないようです。しかし、受験用の参考書を読書案内として活用しようという発想自身はたいへんお勧めです。ご自身でそうした参考書を探して下さい。きっと自分に合った良いものが見つかると思います。