9月9日の日本経済新聞の電子版で、小4以下の英語必修化について文科省が検討していることが報道された。予算をつけて、指導法等を研究するとある。
小学校英語は、現行の指導要領が全面実施された2011年度から、小学5年生と6年生の高学年を対象に、週1回の授業が行われている。しかし、「道徳」と同様、正規の教科ではないと位置づけられており、「音楽や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケション能力の素地を養う」ことを目的とする、と規定されている。
小学生の英語教育については、一時期、日本語の方が大切だから時期尚早など言った反対意見も少なくなかったが、そうした反対意見も、現在ではほとんど聞かれなくなった。この報道によると、将来のグローバル化に備えて、英語の早期の指導へ準備を始めることが目的なようだ。
私もそのこと自体に反対はない。早く始めるなら小1からでも良いと思っている。私が違和感を覚えるのは、そうした国家の戦略と、ちぐはぐな「ランゲージ・ポリシー」が多すぎることである。
たとえば、フィリッピン等の外国人による看護師や介護士の日本への導入と国家試験におけるランゲージポリシーである。これらの外国人に、多くの漢字を含む難解な日本語による国家試験は、合格が極めて困難であることは容易に想像できる。ほとんど、外国人は入れないという方針のように見える。
また、日本人しか入学させないというような、大学の日本語による入学試験が旧帝国大学を始めほぼ全ての大学で行われている。
まずこうしたところで外人に対してオープンなランゲージポリシーをしっかり持つことが重要ではないだろうか。そのポリシー無く小学生の低学年から英語教育を始めることにはちぐはぐさを感じる。