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高校数学は実社会で役立っている

高校数学は実社会で役立っている

きのうは、高2のクラスで数学の授業を行い、「三角比」の頻出重要問題を6問解説しました。夏期講習の全9講座のうち、3講座をぼくが担当することになっています。

 受験勉強は、ときどき「マラソンのレース」にたとえられます。マラソンに限らず、アスリートの生活に似ているといえるでしょう。しかし、受験勉強はせいぜい1年か高々2年くらいで終了です。アスリートの生活は違います。吉田沙保里選手はオリンピック3連覇を成し遂げたというニュースをテレビで見たましたが、3連覇と言うことは最低でも8年以上世界の最高を維持していたことになります。最初の優勝の前から、3度目の優勝の後までを考慮に入れれば、世界の最高を維持する期間は、10年を遙かに超えそうです。これはすごいことだと思います。

 学問の世界でなく受験勉強に限れば、受験勉強はホンの一瞬のがんばりに過ぎません。瞬間的にスパートして入試の関門を突破するだけ。瞬間風速の世界です。この点ではアスリートとは全く似ていませんね。

 ぼくは数学の授業を行う中で、実社会でどのようにこれらの知識が用いられているか、いつも説明するようにしています。「数学など実社会では何の役にも立たない」という意見に反論し、数学に対する興味関心を高めるためです。

 今回の三角比では、テキストには無かったが、「ヘロンの公式」について説明した。かってぼくが新たな土地の測量図面を見たとき、その面積の計算式を見て少々驚いたことがあった。測量図面の下一面に数字が並んでいる。この数字を見て、「あっ、これは面積計算にヘロンの公式を使っているのだ」とすぐ分かりました。変な形の四角形を多くの三角形に徹底的に分割し、その三角形の辺の長さを逐一測り、全てヘロンで面積を出す。後で全部たすのです。  ヘロンと言えば、紀元前1~2世紀ごろの人だそうです。こんな昔から、こんな公式を知っていたことが脅威だと思う。同様なことはアルキメデスも知っていた可能性もあるそうです。びっくりしますね。

 「不等式と領域」の講座では、一定の「2元1次式」の取り得る値の最大・最小問題を説明しましたが、このときは、ここでやっている知識は、オペレーションリサーチ(OR)に使用されていることを説明しました。「線形計画法」と言うことまで話した。このように高校数学でも実社会で直接またはそのアイディアが使用されていることはずいぶん多いでしょう。数学がたいへん役だっていることを理解させ、その上職業に対する関心を持たせたいと考えているのです。高校数学の知識が実社会で使用されている例を成るべく多く説明して、高校生諸君の興味と関心を広げたいと思っています。

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2012年08月11日 23:43に投稿されたエントリーのページです。

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