小・中学生のみなさん!
夏休みの宿題でみなさんがどうしたらよいかよく分からないで一番困るのが、読書感想文と自由工作ではないでしょうか。課題本があってもなくても、読書感想文を書くのは気が重くなるものです。それは無理もないことなのです。というのは、読書感想文を書くには、同時に二つの仕事をしなければならないからです。まず第一に、最初から最後まで、気を抜かないで精読しなければなりません。気に入ったところだけを拾い読みするわけにはいきません。途中で、つまらないなと思っても最後までしっかり読むことが必要です。それだけでも疲れます。
その上で、感想を作文にしなければなりません。それも、「感動した」とか「おもしろかった」というように1行や2行では感想文になりません。少なくとも400字詰めの原稿用紙1枚分くらいは必要です。読書感想文を宿題にする先生方は、自由文題の作文より題材があるから、書くのが楽だろうと思って宿題に出されるかも知れませんが、自由作文よりむずかしいのが、感想文なのです。
しかし、宿題に出されたら、がんばって良い感想文を書いてやろうと意欲をわかして下さい。ではどのようにしたらよいでしょうか。もっとも書きやすい方法を教えます。 まず第一に、全体のストーリーを400字から500字くらいにまとめてみましょう。これもたいへんむずかしい仕事です。しかし、かたよりのない要約を作る力は、将来たいへん役だちます。その力を養うためだと思えば、読書感想文を書く意欲がわいてくるのではないでしょうか。
そのあとの続け方は、課題本が物語り文の場合と、説明文(評論文)では変わってきます。まず物語り文の場合は、主人公の行動を自分ならどうするかを比較してみて下さい。そして、「なぜ」主人公はそのように行動したのだろうかとか、「もし」自分ならどうするかなどについて広げていけば、作文に書く材料はどんどん広がっていきます。
事実を述べる「説明文」の場合は、筆者の主張していることをしっかり理解することがたいへん重要です。その本全体から、筆者はどのようなことを主張しているかについて、正確に読み取る必要があります。その意見にたいして、自分は同じように考えるかそれとも自分の考えは異なるかを考えてみます。賛成なら、賛成する理由で作者が述べていないことを探してみましょう。そんな理由が見つかれば、すばらしい感想文になります。 自分の意見は作者とは少し違うな、と思ったときは、そのことを書き始めます。理由もちゃんと述べないと、ただ反対ですでは、感想文になりません。