入塾時の面談をすると、特に英語と数学は、高校生・中学生ともに、不得意だという人が多い。英数がとくに重要だと言うことは分かっていても、毎日に積み重ねが必要なため、ちょっと気を抜くとすぐに勉強不足になって、成績も大幅ダウンしてしまうのです。いったん苦手意識を持つと、ますます勉強時間が減ってしまうのが普通です。どうしても好きな教科の勉強に向かってしまうからです。そうなってから、入塾される人が少なくありません。
中には、「さかのぼって復習をやってほしい」という希望を述べられる保護者や生徒が少なくないのが現状です。その気持ちはよく分かります。特に個別教室の場合、少しくらいはさかのぼって復習することは可能ですが、そのまま、1年・2年と続けることはできません。学校の定期試験もあれば、入試までに追いつかなければならないからです。
そんな場合、私の指導方針としては、過去にさかのぼって復習を継続することはお勧めしていません。たとえむずかしいと思っても、今、学校や塾でやっているところへ、いきなり飛び込んでそこなら大丈夫と言うくらい集中してがんばって勉強するように指導しています。なぜなら、敢えて復習として時間を取ってやらなくても、今やっているところに集中して勉強していれば、結果的に復習は行うことができるのです。また、それくらいでないと、いったん遅れたところを取り戻すことは困難です。
誰でも一度通して勉強するだけでは、定着していない学習事項や単元はたくさんあります。畑にたとえれば、十分耕されたところと、まだほとんどクワを入れてないところがばらばらにあるようなものです。ですから、何回も少しずつ問題の難易度を上げながら繰り返す必要があります。学校の指導要領でも言われている「スパイラル」的な学習法が重要です。
まとめれば、「たとえ学力の定着度に大きな差があって、未習な単元があってもかまわず今習っているところ、今宿や学校でやっているところに集中して、そこなら大丈夫と言うくらい徹底的に勉強せよ」ということになります。