難関大学の理系学部を物理で受験する場合、基礎的な問題から徐々にレベルを上げて学習すべきか、それとも教科書レベルから一気に入試標準レベルの問題にチャレンジすべきかという問題がある。物理の受験勉強をいつから始めるかという時期の問題もあるが、数学と異なり、高1から準備を開始する人はいないだろう。
旧帝大系クラスの難関大を目指す場合、物理の実力を合格圏内まで1年以内に一気に引き上げることが必要となる。多くの難関大合格者から、意見を聞いてみて、調査した。そうした意見を整理し集約すると、結論的には次のようにまとめることができる。
まず、2次で物理を受験する場合、かなりハイレベルな問題が出題されることを予想しなければならない。標準レベルの問題に加えて難問が1題は出題されるのが普通と考えられる。
スモールステップで少しずつレベルを上げるといって、基礎的な問題ばかりを練習していると、標準レベルの問題に対してさせ大きな抵抗を感じ、時には恐れるようになり、実際の入試で実力が発揮できないだろう。また、標準レベルの問題練習まで届かないで実際の受験を迎えてしまうことになるだろう。
標準から難問の系統といっても、基礎的な事項は必ず含まれているのであって、標準以上の問題練習をこなしながら、基礎力を養い固めることができる。こうしたことより、教科書を学んだ後は、躊躇しないで標準レベル以上の問題に果敢にチャレンジすべきであるというのが成功者の共通した勉強法である。参考のためにどんな参考書を使ったかを聞いて見ると、もっとも多くの受験生が勧めてくれた問題集は以下の二つである。
物理Ⅰ・Ⅱ標準問題精義 小川政夫、為近和彦共著 旺文社
難問題の系統とその解き方 新課程 物理Ⅰ・Ⅱ 服部継雄著 ニュートンプレス