宝塚歌劇のRomeo & Juliette を見た。表題はこのようにフランス語表記となっているのは、Shakespeare 原作のRomeo and Juliet をフランスのジェラール・プレスギュルヴィックがミュージカル化したものだからだ。ぼくは、始めて観たが、宝塚では2010年、2011年に続いて3度目の公演だそうで、以前の「風と共に去りぬ」と同様な大作だ。 ロミオと対するティボルトの2役をトップと2番手の龍と明日海のふたりのスターが役代わりで演ずるのだそうだ。ぼくが見たのはトップの龍真咲がロミオを演ずるバージョンであった。ジュリエットは娘役トップの愛希れいかが演じていた。
ロミオとジュリエットは、悲惨な最期と遂げる。観客は全く救われない気持ちで最期を見届けることになる。ロミオとジュリエットのストーリーは誰でも知っていて、いよいよそのラストシーンが近づくにつれて、最後のシーンを予想しながらどきどきしながら見ることになる。しかし、宝塚版のトラジディは、救われるのだ。観客をそのままの気持ちで帰さない工夫がされている。 当然ラストシーンは悲劇なのだが、宝塚の楽しいところは、こうした悲劇であっても観客をそのままの気分で帰さないように、死んでしまったロミオとジュリエットがまさに生き返えさせるのだ。そうしてまたデュエットを唄ってくれる。
宝塚の「花の道」にはかってたくさんのスズメやハトがいた。今回は1羽も見かけなかった。付近は全くの「死の町」と化していた。「花の道」は、鳥が一羽もいない死の道になってしまったが、宝塚歌劇のストーリーのように、生き返ってまた美しくさえずってはくれることはない。これが現実だ。現実は歌劇のようにはいかない。おそらく一部の住民が、ここでの「餌やり」を禁止したためだろう。こころ小さき人が多すぎる。
家へ帰って、研究社版の”ROMEO&JULIET”を最初の部分を読み始めた。英語の原文にチャレンジする気になったが、注釈を読みながら本文を読み進むので時間がかかる。いつ終わるか知れないが、かまわない。