最近、医療・看護、心理、または保健学部に対して、関心を抱く学生が増加している。大学のみならず、この分野は専門学校も多く、また通信制大学も存在している。18歳人口だけでなく、一般社会人の中でもそうした学部で学び種々の資格を取得しようという人が増えているようだ。これは、人口の老齢化だけでなく、人間関係の複雑さや、事故や事件さらに大災害などで苦しむ人が増えていることが反映していると考えられる。人間の心理を学び、種々の認定資格を取得して将来の職業につなげようという希望する人が増加しているためである。そのこと自体はすばらしいことだと思う。
なかでも「心理」に関する学部学科が複雑で多岐に分かれていて分かりにくい。また、特にリハビリテーション関係の○○療法士という資格はたいへん多い。これら全てが、民間資格であって複雑で理解しにくい。 「心理」の付く資格をネットで調べると、「心理療法士」「臨床心理士」「メンタル心理カウンセラー」などが出てきた。他にもきっといくつかあるだろう。 また「療法士」を検索すると。「音楽療法士」「笑い療法士」「呼吸療法士」「作業療法士」「園芸療法士」「学習療法士」「催眠療法士」「手技療法士」「言語療法士」など○○療法士と資格は本当に多い。これら全てが民間資格であるが、リハビリテーション関係の業務は、それほど専門化されていることの反映であろう。
しかし、こうした分野を志望する若い人たちには、将来の職業について具体的イメージがつかみにくいため、志望の絞り込みが困難であることが問題だと思われる。将来、こうした資格の中でどれを取得すれば、就職に役立つかがよく分からないのだ。
さらに、こうした学科が「人間科学部」に含まれていることもあるが、「人間科学」という学問分野がもとより曖昧で、大学の中には「人間科学部」と称する学部や学科またはコースは研究内容が、それぞれの学部やコースによって、様々であって分かりにくい。進路指導をしなければならない我々がまず勉強しなければならないと思っている。