昨日の父母会は大好評だった。父母会では私は、「脱ゆとり」のための指導要領改訂の骨子について、教科書のページ数がどれだけ増加したかについてと、授業時間数がそれだけ増加するかという点についての解説から始めた。その後で、ぼくが勧める勉強法と指導法を科目別に説明した。
昨日の夜は社員の授業研修会を行った。どうしたら、数学を大好きにさせることができ、また実際の生活に生かせるかについて、その「具体例」を常に意識して授業を行わなければならない。生徒のヤル気をおこさせるためのスーパテクニックを駆使した授業で、生徒にワクワクどきどき感を与えたいからである。そのためには研修が必須である。塾生から数学大好き人間や、英語大好き大得意人間を輩出するのが目的だ。そのために、先生自らの日々の勉強が必須である。
今回の指導要領改訂の目玉の一つは、算数・数学に「スパイラルな学習」が導入されていることである。もっとも、この指導法は決して新しい指導法ではなく従来から実質的に行われてきたことであろう。しかし、明文化されたことには意義がある。重要事項は、繰り返しレベルを上げて学習することを義務ずけているからである。反復学習により、数学嫌いを無くそうという目的だ。スパイラル学習は、小学校から中学校だけでなく高校数学まで意識されていると考えられる。
さらに、スパイラル学習に加えて、算数・数学を学ぶ意義や有用性を実感できるよう、「数学的な活動」が新設されている。具体的には、既習の内容を実際の生活場面に生かしたり、数や図形の性質を見出すなどの活動をいうとある。
指導者にとっては、「実際の生活場面に生かす」ためには、さらに高度な見識が必要となるだろう。たとえば、中学で学習する「1次関数」は、一気に抽象的になり、生徒にとって理解が困難であるだけでなく、その重要性が分からないために、興味を持たないのだ。教師としては、見識が必要だが、実際の生活場面に生かす為の説明を、最も優れた具体例で示すことで、数学に対する興味を沸くように説明すべきである。「わくわくどきどき」の授業にしなければならない。1次関数の生活場面への例としては、「需要と供給のバランスによる市場価格の決定」がいいとおもう。またはもっと簡単に、ふたりの生徒がそれぞれ家からと学校から歩きどこでいつ出会うかといった問題にする方法もあるだろうと思う。