「よかったら、あそびにきてください」「よかったら食べてください」「よかったら電話ください」など、「よかったら~してください」という表現をしばしば聴く。この表現に対して、私は少々違和感を持つ。持ってしまう。「よかったら」を、「もし都合がよければ」とか「もし都合が付けば」といった謙譲の表現と考えることもでき、そう考えると納得できる気もするが、どうしてもっと積極的に「ぜひ~してください」「ぜひお願いします」というように言わないのだろうか。
ぼくは「よかったら~してください」といわれると「よくはないです」と心の中で思ってしまう。しかし、この表現に違和感を持つ人はあまり多くはないようだ。普通の表現とかんがえている人がほとんどのように思われる。
確かに、英語の please は「if you please 」を短くしたもので、これを日本語で言えばまさに「よかったら~」に対応する。プリーズなら、ていねいに依頼されたというよりも、ものを頼むときは当たり前な感じがする。フランス語の「s'il vous plait」も,直訳すると「もしあなたが喜んでしてくれるなら」の意味で、ちょうど「よろしかったら」とほとんど同じである。そう考えれば、この表現にこだわる必要は全くないと思われる。 しかし、やはり、「もっと積極的にお願いされてもいいのに」という感覚は脱ぎいされない。それとも、それほど一生懸命お願いしないときだけ使う表現なのだろうか?