日本では、2004年4月から価格表示方式が変更された。それまでの税抜き表示方式から消費税相当額を含んだ支払総額で表示することが義務づけられた。大竹文雄氏の「競争と公平感」(中公新書)によると、この総額表示方式の義務づけは、一種の大規模な社会実験であったそうだ。この社会実験の結果、「消費税総額表示方式の導入は特にスーパーに大きな影響を与えたがその影響は2~3か月でほぼ収束した」ことが分かった。特に、総額表示方式に変更された「4月のみ食料品支出が下落しているがすぐに元の水準に戻っている」(同書)ことが指摘されている。
学習塾の運営で考えると、消費税は大きな負担である。いま、消費税の引き上げが議論され、消費税率10%が現実のものとなりつつある。中でも、「とうり国際高等学院」を考えると、今年度の受験者の中にも公立高校と併願者が数名いたが、今後ますます併願者が増えてくることが予想されるのに対し、消費税を含む学費がネックとなり入学を辞退する可能性がある。消費税はサポート校の運営に多大な影響を及ぼすと考えられる。
特に当校のように、全日制高校と同様な授業態勢で万全な指導をおこなおうとすると、学費の面で競争力を低下させてしまう可能性が否定できない。「修学支援金」は当然サポート校には支給されない。学力差の大きな生徒達に対して個別指導を十分加えて指導しなければならない。そのためには、できる限り少人数制でクラスを作ることが必要である。できれば1クラス数人のクラスで指導したい。消費税が10%になった時を考えると、厳しい運営が予想される。