コミュニケーション能力の育成が目標
小学校でも英語指導が開始したが、小学校から高校まで一貫して英語の指導目標に掲げられていることは、「コミュニケーション能力の育成」である。これは国語を始めとして、全ての教科で掲げられている項目である。使える文法を目指す意味で、実際に文法・構文の学習においても、「英語表現」の中で扱うようにしている。
必修単語数が増加される
さらに、これまでの「ゆとり教育」から「確かな学力」へ移行したことで必修英単語数が増加される。必修単語数の変遷は下の通りである。
施行:1958年 中学:1100~1300 高校:1500~3600 中学∔高校:2600~4900
施行:1993年 中学:1000 高校:1400~1900 中学+高校:2400~2900
施行:2002年 中学: 900 高校:1400~1900 中学+高校:2400~2700
施行:2012年 中学:1200 高校:1800 中学+高校:3000
必修単語数は上表のように中学でゆとり前の900語から1200語へ300語増加され、高校では500語が増加される。中高で800語が増加することになる。1958年当時には及ばないが、ほぼゆとり教育以前の水準に戻される。
文法事項の学習もコミュニケーション力UPの観点から
中学校では新教育課程より授業時間数が105時間から140時間へ増加され、文法事項の学習も高等学校への連続性を考えて、高校での学習の基礎を固めることが目的とされている。しかも、中学の指導要領で行われていた文法事項の「はどめ規定」がほとんど全て取り払われている。そのため、中学卒業時での生徒の学力差はますます大きくなる予想される。高校では文法事項の習熟度が求められることになる。文法学習においても、コミュニケーション力を高めるという視点が重視され、実用面で応用が利くような学習が求められている。
英語で授業することが基本
中学・高校の英語の授業は、英語で行うことが基本とされている。これに対しては、一方に困難ではないかという意見もある。しかし、その目標は生徒が英語に触れる機会を増やすことであり、望ましいことである。チャレンジすべきことである。 確かに、英語の授業であってもほとんどが日本語でそこへ少し英語が加わるといった授業は、改善の余地があると反省すべきだ。中高とも極力英語で発問し生徒も英語で答えるような授業が求められている。