集団面接の受け方
集団面接には、受験生は5~6人くらいが同時に教室に入るのが普通である。個別面接と同様に、一人ひとりに質問していき順番にひとりずつ答えていく形式の「順次指名型集団面接」と、受験生が議論をする討論形式とがある。この討議型の面接を「グループ面接」と呼ぶことがある。この討議型の面接の中には、二つのグループに分かれて「ディベート」をさせる場合もある。集団面接を分類すると、(1) 順次指名型集団面接、(2) 自由討論型集団面接、そして(3) ディベート型集団面接の3つにわけることができる。
第1の「順次指名型集団面接」の注意事項
- 時間指定の場合がある。特に時間指定をされなくても、自分だけ長く話すべきではない。1問あたり1分くらいが妥当であろう。
- 他の学生が話している時も気を抜いてはいけない。他の学生の話を聞き、軽く頷いたり するのがいい。表情をチェックされている場合がある。
- 集団面接では自分を主張しながらも、周囲の状況にも気を配る必要がある。
第2の「討論形式集団面接」の注意事項
面接は5・6人で社会常識などについての討論形式が多い。質問事項は①の場合と共通であるが、たとえば医師薬系の学部学科の場合で考えると、医学系の質問が多い大学と、学部に関係なく社会常識や時事問題などが質問される大学とがある。この区別は過去問などから調査しておく必要がある。配点についても、数学や英語が各100点なのに対し面接では150点もある大学もある。この配点も調査しておかなければならない。ニュースなどからの質問がされるのは、「問題発見能力があるか」というポイントである。発言回数は、回数に無関係に合格している場合もあるから、それほどこだわる必要はないようだ。この討論形式の場合、誰か1名が「議長役」を指示される場合もある。議長役が指名されたら、ラッキーと思って受験生全員に平等に発言できるよう配慮しなければならない。採点方式は、良いところがあれば加点していく「加点方式」と逆の「減点方式」がある。集団面接では、他の受験生に十分心を配りながら、可能性としては発言回数は多い方が有利になる可能性が高いと考えられる。しかし、少なくても合格者はいるので、一概には言えないようだ。討論の流れを重視した意見を述べる方が良いといえる。印象深くしようとして、討論の流れを無視した意見を述べると、討論の流れを乱し、減点対象となる可能性がある。
第3の「ディベート型集団面接」の注意事項
賛成、反対の二つのグループに分かれ、それぞれの立場でディベートを行う形式の集団討議である。一定時間後(10分後)に、賛成反対の役割を逆にして、同様のディベートを行う場合がある。テーマは、小論文の課題文または、テーマ型小論文の場合のほとんど同じと考えればとよいだろう。
討論のテーマ例
- 死刑制度について反対か賛成か。
- ごみの回収のとりしまりは市役所に任せるべきか、それとも町内会単位で行うべきか。
- 地方大学と都市圏大学医学部の地域に対する役割の違い。
- 大学病院と一般病院の役割の違い。
- ノーベル賞受賞した根岸教授が、子供に競争させるべきだと主張。それに対して反対か 賛成か。また国際社会に日本人が出ていくうえでその子供の時から競争させることがどのような役割を果たすか?
- あなたにとってプライバシーとは何か。また、プライバシーによって壁となることは何か。
- 読書はどうして大切なのか。
一般に重要事項としては、その大学の志望動機が最も大切である。これに十分答えられるように、大学等の学校案内を隅から隅までしっかり読み、覚えておく必要がある。「交通に便利とか、自分の偏差値にあっているとか、自分の気に入ったサークルがある」などといったことは説得力がある志望動機とはいえない。 ヤル気を見せること、卒業後どんな活動をしていたいかなど、自分の将来像と抱負を考えて作り上げておく必要がある。
上記2つの集団討論の場合は5~6人の受験生の中で自分をアピールしなければならない。他の受験生の意見を聞きながら、適切なコメントを加えることが必要である。協調性と同時に積極性をアピールしなければならない。質問の意図を外して、問題をずらすのは最悪だ。質問に即した意見を簡潔に述べることが重要である。自分の発言内容はもちろん重要だが、他の人の話を聞く態度も大切で評価ポイントである。
圧迫面接もありうる
最近の就職面接では影を潜めたが、かっては「圧迫面接」も少なくなかった。試験官がややぶしつけな質問をしたり、ワザと感じを悪くして、受験生の反応を見ようというのだ。こうした試験官がいても冷静さを欠いてはいけない。落ち着いて周りの顔を見て話す様にすべきだ。また相手が話している時は、相手の顔を見て、同感の場合はうなずくなどして自分も積極的に反応することが重要だ。