私の担当は、大学入試のための小論文の指導と、数学の指導である。この二つは、同時に得意意識を持つことはややむずかしい気がしている。数学の指導をしていると、一時期ながらその方が得意になり、小論文の添削がむずかしく感じる。これはしかし、そんな気がするだけで実際には十分できるのだが、やや気後れがするのだ。逆に、小論文の添削を中心にしていると、それには自信満々になるが、数学の指導がややむずかしい気がして、少々自信が減少する。
天才達は、猛烈にたくさんの仕事をした。ぼくらが、多くの天才達から学ぶとすれば、自分で懸命に仕事の量を増やすことだ。「小人閑居して不善を為す」という諺があるが、私は「小人閑居して仕事を減らす」とならないように、意欲的にどんどん仕事量を増やすようにしていくことが大切だと思っている。ある本によると、宮澤賢治は1日に100枚も創作したそうだ。
そのためには、1分で新たな仕事に集中し、その集中力を途切れることがないように継続させることだと思う。数学の指導も小論の指導も仕事量を増やせば、今からでも少しはものになるかも知れない。そう期待している。