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証明問題の重視

「ゆとり教育」で一番軽視されたのは「証明問題」である (中学数学)

高校生で「背理法」が使えないのはその影響ではないか?

2012年度から始まる中学対象の指導要領改革は当然であるが、望ましいことだと思っている。2002年度から始まった「ゆとり教育」を掲げた指導要領の改変で一番削られたのは、数学に限って見ると、週あたりの授業時間が3時間(年間105時間)となり、これは世界の最低レベルであった。授業時間の世界平均は140時間であるから、ちょうど75%にあたる。このときもっとも犠牲になったのが、中学数学では「証明問題」の学習である。かっては、図形の証明問題などかなり力を入れて学習した。その分野がほとんど形骸化してしまった。高校数学では、「微分方程式」が全く姿を消したことが、ぼくは残念で、せっかく微分・積分を学習してもそのもっともおもしろくかつ有益ない応用である「微分方程式」が削られては、微分積分のおもしろさとありがたさを伝えにくいと思っていた。

かって、中学で重視されていた「証明問題」が「ゆとり教育」で軽くされために、思考力を養うために必要な訓練が十分行えないのではないかと思われる。証明問題が中学で軽視されている影響は、高校生にも大きな影響を与えている。高校生になっても「証明問題」に対する生徒自身の認識が低い。特に「背理法」が使えないことにもっとも特徴的だと思われる。「直説法」しか思いつかないようなのだ。また「背理法」と「対偶証明法」の区別がつかない受験生もいる。

2012年度から始まる中学の指導要領改革で、私たちは「証明問題」を重視して数学を指導したいと思っている。高校生になったとき、数学的な思考法がしっかり身についていることを目標にしたいからである。

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2012年01月11日 12:53に投稿されたエントリーのページです。

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