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「いいたかないけど数学者なのだ」を読む

高校生に数学を教えるには、大学の数学知識が必要

「いいたかないけど数学者なのだ」(飯高茂)を数時間で読み終えた。「生活人新書」である。その奥書によると、飯高茂氏は数学の中でももっとも難解な分野の一つである「代数幾何学」のリーダとして世界的に知られた数学者とある。 たいへんおもしろい本だ。第1章は高校時代の数学の先生についてかかれてある。H先生としてあるが、旭爪賢作先生という実名もフルネームで明かされている。この先生との出会いが、飯高氏の数学者への将来を決めたと思われるが、この旭爪(ひのつめ)先生は東大工学部の航空工学科を出て、国立大学で物理を教える教官であったが、マッカーサーの命令によるレッドパージに引っかかり、大学の職を罷免され無職になった所を千葉高校の校長先生が千葉高校を名門校にするために、失職したH先生に依頼して教師になってもらったことが最後に明かされる。

最高の受験対策としてH先生がいわれた言葉が印象的で引きつけられる。「入試問題をつくるのは大学の先生です。大学の数学が分かれば、入試問題をつくる基本の精神が分かる。だからその問題の意図が見えるようになります。大学の数学の本を読めば入試問題のカラクリが見えて、問題の解法が自然に分かるようになりますよ」これに、「究極の受験対策」という見出しが付いている。実際にH先生は、ゼミをつくって大学レベルの数学を教えた。 高校生に数学を教えるには、大学レベルの知識が必要なのだ。このこと自体はぼくも以前から同様に思っていた。断片ではあるが、示唆に富む記述が満載だ。

第2章は、友人S君(数学者の新谷卓郎氏)の高校時代の「ノート」がそのまま転載されてある。ノートからは友人「S君」の読書量とジャンルの広さに驚かされる。ほとんど毎日1日1冊くらいのペースでツルゲーネフからドストエフスキーなど古典を読んでいる。所々に英文の文学書が混じり、ときどき、関数論等の数学書が混じり、法学概論まで読んでいる。ジャンルが全ての分野に及び、読書量がすごい。今の高校生でこんな高校生はどれくらいいるだろうか。

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2011年11月16日 14:22に投稿されたエントリーのページです。

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