ちょっと古い学習参考書だが、「英語例の方法(最新版)」(ゴマ書房)を読んでいる。今、ほぼ3分の一くらいまで読んだところだ。これは、国語教師の有坂誠人氏が書かれた「例の方法」の英語版である。特に4つの選択肢から1つの正解を選ぶ際の技を中心に書かれている。その技術は、国語と共通している。4つの選択肢をつくる際、出題者は、まず正解の選択肢をつくり、その選択肢を変形して落とし穴としての3つの誤った選択肢をつくるのだが、その作り方の手の内を逆手に取り、正解を見つける技法だ。結構おもしろい。
「例の方法」は、「5つの原則」に分解されているが、その第一の「原則」は「共通する単語のカタマリを見つけて、選択肢を汚せ」と指示がされていて、「選択肢の中で共通する単語のカタマリにシルシをつけ、そのシルシが多く付いたものが正解になる可能性が高い」だからそれを正解として選べばよいという。実際の例でやってみると確かに役立ちそうだ。この本にも書いてあるが、この「例の方法」は特に英語が不得意な受験生を意識してかかれたとあるが、誰にでも役立ちそうだ。もちろん作文や、要約などには無縁で選択肢から正解を選ぶ方式にしか対応できない。
国語でも同じように、4つの選択肢から一つの正解を選ぶさい、「どれが正解かとことん考えぬいて、解答にいたる根拠が明確になるまで答えを決めない」ことが大切なのだ。ほぼ似たようなことを斎藤孝先生もいくつかの著書で述べておられることを思い出した。国語や英語で特にセンター試験に弱い生徒は、深く考えないで、そのときのカンで「答え」を選んでしまうようだ。一方、出題者は受験生が落とし穴にはまるように周到に考え抜いて間違いの選択肢をつくっているのだから、まんまとその落とし穴にはまってしまうのもむりはない。
要点をまとめると、出題者の心理を読め、誤答の作り方には一定の道筋があるからその道筋を見いだして、誤答を除外し正解を見つけることが大切だ。時間がかかっても焦らず考えることが大切だ。ほぼこんなことであろう。このコツを受験生のみなさんに是非教えたいと思っている。