特に英語・数学の成績がかなり悪い中学生に対して、どのように指導していったらよいかは、病的な場合は別にして、あまり議論されていないようだ。そうした生徒の為の勉強法を教えてくれるような本はほとんど皆無と言ってよい。勉強法についての本はたいへん多いが、そうした書物は著者自身が勉強や受験の苦労などほとんど全くしなかった人たちが書いているから、平均よりかなり下回る点しかとれないような層の生徒のことはもとより意識にないのだ。
100点満点で10点~20点くらいしかとれない生徒の為の勉強方法が無視されているのは、その原因が生徒によって異なり、原因が多岐にわたっているために一般論では済まないこともあるだろう。しかし、実際にはそうしたレベルの生徒がたとえば中学3年生の秋になって入塾することも少なくない。そこからどう指導して平均点くらいとれるようにしていくかはぼくらが考えなければならない。だから、そうした生徒のための指導法を開発するのはぼくらの任務であると考えている。
とくに、ゆとり教育以後、勉強に対する熱意や興味をほとんど持てない子どもが増えているように思われる。そんな場合は保護者も「本人の人生だから本人に任せてあります」などと言って考えること自体を放棄してしまっていることが多い。中学生だけでなく、小学生から高校生までそれぞれの学年の学習方法をぼくらは生徒一人ひとりについて考えなければならない。しかし、そうした場合の学力の躓きは、小学校時代にさかのぼることが多いので根が深く取り戻すのが容易ではないのが普通だ。それでも中3になってからの挽回方法を見つけなければならない。
学力が低く成績が悪い原因を追及することから始める。原因は主に次の3つに分かれる。
- 1) 勉強の方法を知らないためである場合
- 2) 勉強時間が足りない場合
- 3) 指導者がしっかりしていない場合
これらそれぞれについて、塾では指導法考えて一人ひとり最適な方法を編み出して指導にあたっている。その方法はマニュアル化してある。