小中学校には、発音記号の読み方を指導している学校と、全く指導しない学校とあります。現在では指導しない学校がほとんどです。その点では、発音記号の指導はフォニックスとほぼ同様な扱いです。
小学生が使用する初心者用の英語辞書には、単語にカタカナで発音が示されているものもあります。読み方が全く分からないわけではありませんが、カタカナ表記には限界があり、英語の発音を正確に表すには無理があります。声を出すときの舌の位置やあごの開き方、歯また唇などの位置や使い方が、日本語と英語では大きな違いがあるからです。
そのため、フォニックスと全く同じように、英語の発音記号を勉強して読めるようになると、英語の学習がとても楽になります。その結果、英語が好きになり得意になるのです。まず基本的なことですが、発音記号には2種類あります。一つは、世界的に使用されている「国際発音記号(IPA)」と、日本で使用されている「Jones式」の二つで、それぞれ少し異なっています。
では、どうして発音記号などが必要になるのでしょうか? その理由は、英語のアルファベットは全部で26文字しかないのに、発音の種類はそれよりずっと多く、40個もあるといわれています。そのため、すべての発音を表すには、26文字のアルファベットでは足りずそれに追加して独特な記号が必要となるのです。これが発音記号です。ある発音を表すためにはアルファベットと同じですむ音と、それとは別の記号で表さないと表せない音があるのです。そのための記号が、発音記号です。
私が持っている、三省堂の英語の辞書を見ますと発音記号を表すために[ ]が使われています。また、ジーニアス英和辞典では、/ /が使われています。カッコやスラッシュで囲まれていることから発音記号と分かるわけです。最近の電子辞書には音声機能のついたものもあり、耳から音を知ることができますが、その発音のための口の形や舌の位置までは分かりません。初めて見る単語の発声方法やアクセントの位置を調べたいとき、発音記号を読み方を知っているとその音の正確な発音方法がわかり、大変便利で有効なのです。その上、発音記号を覚えるのに大して時間がかかりませんから、これは絶対勉強しておくべきです。当塾では、小学生と中学生に対して発音記号をしっかり指導します。
参考:Jones式教科書 「発音記号の正しい読み方」 中村駿夫 (著) 出版社: 昇龍堂出版