数学者の秋山仁先生は、「私は才能がないのに、あきらめが悪く、数学を続けてきた。でも、あきらめないで努力を重ねていると、才能はあとからそっとついてくる」と著書に書いておられます。また、自らを「落ちこぼれ」とまでおっしゃっています。 現在、成功された多くの方々の体験を読んだり聞いたりしますと、「挫折」や「失敗」の経験をされた方が決して少なくないように思います。むしろ多いように感じます。
さて、今回の舛添東京都知事が辞任されると聞いて、私は、この一連の騒動はいったい何だったんだろうと考えました。舛添さんは、頭脳明晰で賢い人なのに、どうして失敗をしてしまったのか。 私が得た結論は、何らかの「挫折体験」は、極めて重要で誰にとっても必要なのではないかということです。舛添さんは、おそらく子供の時から、どんな試験でも優秀な成績を納められ、試験に苦しめられた経験もなく、試験で失敗した経験など一度も経験もされておられないでしょう。何をやっても1番で優等だったのでしょう。
一度でも何かで失敗するか、小さくても挫折の経験があれば、都知事としてもうちょっと「かしこい」行動ができたのではないでしょうか。 また、挫折や失敗をしなくとも、人より何かで劣っているといった感覚、極端には「落ちこぼれ」の感覚を持った経験があれば、行動が変わってくるに違いありません。
でも受験生諸君は、ここで失敗や挫折を味わう必要はありません。がんばって成功してください。我々もそのように指導します。