文科省が学習指導要領の骨格案を8月はじめに発表しました。どんな教育をしたいかという本質に関わる提言が含まれていることが特に注目されます。その一つが、「アクティブラーニング」です。 元来は、大学等の高等教育の教育改革としてはじまりましたが、最近では中学や高校の授業でも取り入れられつつあります。これを文科省は推進したい考えです。 「アクティブラーニング」という語は新しくても、その考えは以前からあったように思います。具体的には理科などの「授業改革」として種々の試みがされてきました。そこで改めて僕も例を、社会科、理科、インターネット利用の関係に分けて実施例を考えてみます。
(1) 社会科関係
① 韓国や中国の教科書の日本語解説書で、「従軍慰安婦」「南京大虐殺」等がどのように扱われているかをグループで調査し報告する。
② 在日コリアン、中国人、台湾の人を招き、領土問題を解決する方法があるか、ディスカッションする。
これらは現実に直面している厳しい例ですが、僕が一番薦めたいのは、ディベートの練習です。これは、徹底的に不足しているように思います。例としてよく挙げられるのは、「囚人のジレンマ」といわれるもののように、何らかの「ジレンマ」を含む問題をいくつか設定し、賛成派と反対派に分かれて、ディベートを行う。ディベートを英語でやってみるのも面白いと思いますが、ディベートにならない恐れもあります。
(2) 理科関係
理科の分野では、「アクティブラーニング」という名称はありませんでしたが、実際には他の教科より早くから、アクティブラーニングが実質的に行われていたと思います。その授業例を解説している書籍は極めてたくさんあります。
僕が考える例を一つだけ挙げておきます。
(例)飛び方を指定して目的に合うように、紙飛行機を作らせ指示通りのとびかたになっているか実験をさせる。また、なぜその飛び方になったのか、その理由について議論させまとめる。 (飛び方) ・できる限り遠くまでまっすぐ飛ぶ。 ・急に上昇した後、急に降下する。 ・右に旋回する。 ・常に左に旋回する。 ・滞空時間を延ばす方法を議論する。
(3)アクティブラーニングのインターネットへの活用
テーマだけ指定して、情報をインターネットを活用して探させる。さらにその理由を議論する。 (例) 全国、岐阜県、本巣市など地域別かつ、小学校・中学校・高校別に、不登校生の生徒数を調べる。さらに理由別に不登校生徒数を調べる。 この授業の目的は、ネット上に極端に多い情報の中から自分がほしい情報を見つけ出すための方法を考え実行するための根気を養うことにあります。