高校生を対象とするある調査(リクルート進学総研、高校生価値意識調査2012)によりますと、社会の将来は「明るくない」または「あまり明るくない」と答えた割合は約7割と、「明るい」と応えた人を大きく上回りました。しかし、その同じ調査で、「あなた自身の将来」は明るいと思いますか、という質問に対しては半数以上(約55%)が「明るい」「やや明るい」と答えています。注目されるのは、「将来を明るいと思うこと」と、「将来の職業イメージ」との間に大きな相関関係がみられたことです。実際、将来の職業イメージ状況別に「自分自身の将来は明るい」と回答した割合をみますと、「就きたい職業・目指したい職業が決まっている」人で「明るい」と回答した割合は70%でした。しかし、「まだ先のことなので、まったく考えていない」人では35.6%にとどまる結果となりました。将来の職業イメージと将来の明るさとの間の相関関係は、グラフで描けばほぼ完全な直線的になるようなものです。
簡単に言いますと、「自分自身の将来は明るい」と回答した人の大半(70%)は、「就きたい職業・目指したい職業が決まっている」のです。やや乱暴にまとめると「将来の職業について考えている人ほど、自分の将来に明るい見通しをもっている」ということになります。
しかしながら、私はこの事実を超えて将来の目標や目指したい職業はまだ全く見えていないけれども、根拠なく「自分の未来は明るい」と思ってほしいと考えています。自分の未来は明るいと天下り的に思っていますと、「将来は暗い」と思っている人とは、日々の行動が全般的に違ってきます。
根拠なく自分の未来が明るいと思っている人は、全てにおいて前向きになれるでしょう。勉強すること自体にも積極性が出てくると思います。また、自分が話したり、書いたりすることも違ってきます。全て前向きになれるのです。「将来は暗い」と思っている人は、勉強することにも積極的になれないでしょう。勉強がおもしろくなくなってしまいます。「自分の将来は明るい」と根拠なく思っていると、失敗を恐れる気持ちも小さくなってきます。失敗を恐れなくなってくるのです。チャレンジ精神が旺盛になります。
中でも、自分の話したり書いたりすることが、微妙に変わってくることの意義は大変大きいと思います。人にその雰囲気が伝わり、人を動かすことができるようになるからです。 まわりに人が集まってきます。人との出会いのチャンスが膨らんでくるのです。多くの人がまわりにいれば、自分が成長できるチャンスが増えます。幸運も引き寄せてくれるでしょう。一部の人から、「あいつは苦労を知らないやつだ」とか、「単細胞な奴だ」などと言わるかも知れませんが、そんな奴はほっといてかまいません。そんな心構えでいますと、自分の目標や将来の職業に就いても徐々に定まってくると思います。