岐阜高校の基本理念はホームページによりますと、School Identity として「トータルパーソン」の育成を掲げています。「トータルパーソン」とは、あるべき人間像として、「知性と精神性を高い次元で統合した人間」を意味する言葉だと定義されています。さらに、「具体的には、「知的・専門的能力に優れ、人道的・精神的価値を兼ね備え、模範の行動で人の心を動かし、真に社会を変革する責任を担いうる個人」のイメージです」と説明されています。
私は毎年、特にこの時期を中心に採用活動を行っています。採用面接です。連休明けからまた、採用面接を毎日のように行う予定です。教育という仕事は、人がすべてといっても過言でないくらい人が大切ですから、採用面接は何より重視しています。教育者として生徒を任せられる人を選ばなければなりません。適任者を選ぶことはたいへんむずかしいと言うことを常に思っています。 指導者としては、まさに岐阜高校のモットーとして掲げているトータルパーソンが望ましいと思うのですが、そのような人と出会うことは容易ではありません。まず、私たちが希望する条件は、最低限の学力です。進学塾では、高校入試と大学入試に対する指導を行い、桃李国際高等学院では高校生に対する指導を行いますから、高校レベルの学力が必須になることは当然です。
さらに、岐阜高校のモットーにあるように、「人道的・精神的価値を備え、模範の行動ができる優れた人間」でないと、教育はつとまりません。一見、誰でもできるように見えてたいへんむずかしい仕事が教育だと思っています。快活にしゃべることができて豊かなコミュニケーション力を持っていること、親切心が旺盛で生徒の為に労を全く惜しまず活動できること、誠実でホスピタリティがあり、自分自身が勉強家で研究熱心であり、さらに笑顔があって、生徒や保護者に親しまれること、決断力があって、簡単にはぶれず、生徒と壁を作らず、ある程度フランクにつきあうことができて、その上先生としての威厳も保つことができる人。
このような条件を列挙するときりがないし、そんな聖人君子の学者みたいな人はほとんど現実にはいません。実際、私たちは採用に関しては出身大学を一切考慮していません。基本的な学力試験と、書類選考そして面接を重視して採用しています。有名大出身だといってアドバンテージは全然ありません。 高校程度の学力は卒業時点まで維持していてほしいというのが、ぼくの希望です。就職氷河期と言われていますが、私たちの求める学力の面での基準は、決して高くはありません。高校レベルの英語と数学の学力は徹底的に維持して就活を行って下さい。 性格を急に変えることはむりでも、学力は急に伸ばせます。